AWARD-Ccw工法(Air-form Waste Reduction Method Continuous Columned Wall)は気泡掘削によりソイルセメント柱列地下連続壁を造成する原位置撹拌工法です。施工機械は気泡発生プラントと柱列式施工機械を使用します。
- 気泡掘削とは、施工機械の先端部から適量の気泡を添加しつつ掘削を行い、掘削土と気泡の混合土を造成します。この土と気泡の混合土は流動性のある均質な懸濁液(以降、気泡安定液と称す)となるので、溝壁の安定を保ちつつ、安定した掘削ができます。
- 掘削工程終了後に、掘削底から破泡剤を含んだセメントミルクを気泡安定液に添加しつつ混合・撹拌し、ソイルセメント壁を造成します。破泡剤により気泡安定液中の気泡は消泡しますので強度のあるソイルセメント壁ができます。
- 掘削土に微小な気泡を加え混合・撹拌すると、掘削土は細かく粉砕され土粒子と気泡の混合した気泡安定液になります。
- この気泡安定液にセメントミルクを添加し混合・撹拌することにより、掘削土とセメントミルクの混合撹拌性が向上します。特に凝灰質粘土のように粘性の強い粘土においても、均質な混合が可能となりました。
- さらに、気泡のベアリング効果等により流動性が高まるため、掘削時の施工性、芯材の挿入性に優れ、また掘削地盤が粗い砂礫層の掘削においても、気泡が砂礫の間隙に刺さり込み砂礫層と一体となった不飽和層を形成すると考えられ、溝壁の安定性は良いのが特徴です。
- 掘削時に壁体造成時に気泡を消泡させることによって従来のセメントミルクを使用する柱列式ソイルセメント地中連続壁工法に比べ排土量を大幅に削減でき、遮水性及び強度の高い高品質な連続壁の築造を可能とした環境負荷低減工法です。
AWARD-Ccw工法の特徴
AWARD-Ccw工法(アワードシーシーウオール工法)は以下のような特徴があります。
環境負荷が少ない
- 排泥土量が少ない
掘削土と気泡の混合した安定液は気泡のベアリング効果により流動性が向上するので、掘削時の加水量が低減できます。気泡は撹拌翼の引抜時に破泡剤を添加したセメントミルクを気泡安定液と混合撹拌し、破泡剤により気泡を消しながら地中連続壁を造成するので、発生汚泥量を従来工法の40~60%に削減できます。
- セメント使用量が少ない
気泡安定液は流動性が良いので、ソイルセメント壁を造成するときにセメントミルクの混合性が良く、少ないセメント量で強度が発生します。
セメントは製造時に大量のCO2を排出するので、間接的にCO2の削減効果があります。
また水セメント比(W/C)は60%と小さいので、セメントミルクの注入量が少なく排泥土量の削減につながります。
気泡を使用するので、残留した気泡により透水係数が大きいのではないかとの疑問が生じますが、気泡は単独粒であり連通していませんので、透水係数が大きくなることはありません。これまでの施工実績によると、透水係数は10-7~10-8cm/sであり、通常の施工よりも約1ケタ小さい透水係数を示しています。
- 地下水汚染は少ない
気泡安定液は地中へ逸泥量が少ないので、周辺地盤の汚染の程度は少ないと言えます。
また、気泡は生分解性ですので、環境に与える影響は少ないと言えます。
- 余剰排泥土の再利用が容易
余剰排泥土は、膨潤作用のあるベントナイトのような細粒分を混入させていないため、地山の土砂の状態に復元しやすく、処理・再利用が容易です。
- Co2排出量の低減
発生残土量の削減が可能なため、搬出車両数の削減等によりCO2の排出量等を低減できます。
施工費が安価
- 汚泥発生量が低減するので汚泥処理費が低減します。
- 気泡添加により,少量の水で固化材の流動性を確保でき,セメントスラリーのW/Cを低減できるため,単位セメント量を従来工法より20~40%削減できます。
- 気泡による流動性向上により,固化材の均質な混合・攪拌とともに掘削機械のカッタートルク負荷を低減できるため,高速混合攪拌の実現によって施工品質や施工能率を向上できる.
- 作業用地の縮小が可能
気泡作製、注入設備が小規模であり、また発生泥土が低減するため作業用地が縮小できます。
高品質なソイルセメント地中連続壁が構築できる
- 掘削土とセメントスラリーの混合性が向上するのでより均質なソイルセメント地中連続壁が構築できます。
施工及び施工管理が容易
- 気泡により,礫層や被圧地下水層でも不飽和な良質難透水層が形成され,安定性の高い溝壁が得られ,施工管理が容易である.
- 気泡安定液の湿潤密度ρtは1.3~1.8g/㎝3程度と大きいので溝壁の安定性が良いと言えます。
- 珪砂3号程度の礫層においても溝壁の安定性が良いと言えます。
被圧地下水下でもベントナイト安定液に比較し安定性が良いと言えます。
施行実績
AWARD-Ccw工法の施行実績をご覧ください。