気泡工法とは
地盤を掘削する時に”ベントナイト安定液”を使用しますが、
気泡工法とは、安定液として気泡安定液を使用する掘削工法です。
気泡工法に使用する施工機械は
ベントナイト安定液を使用していた機械とほぼ同じものです。
実際の工事においてはベントナイトを使用する代わりに、
掘削時に掘削面に気泡と水を加えながら掘削を行います。
気泡安定液
掘削時に掘削面に気泡と水を加えながら掘削を行うと、
掘削土と気泡と水は混合し懸濁状となります。
これを気泡安定液と呼んでいます。
気泡工法の特徴
環境負荷の少ない工法です
- 排泥土量が少ない
- 固化材使用量が少ない
施工が容易である
適用工法
- 等厚式ソイルセメント地中連続壁工法(AWARD-Trend)
- 柱列式ソイルセメント地中連続壁工法(AWARD-Ccw)
- 深層地盤改良工法(AWARD-Demi)
- 現場打杭工法(AWARD-Sapli)
気泡安定液の組成
気泡安定液は掘削土1m3当たり気泡を0.3~0.4m3、水を0.1~0.3m3加えます。
この気泡量や水量は掘削土質の物性や掘削後にソイルセメントち連続壁を造成するのか、地盤改良を行うのか等により、異なります。
施工管理
気泡安定液の施工管理は掘削時に地表面に排泥してきた気泡安定液の
単位体積重量とテーブルフロー値の2種の値を計測し、
これを管理表に記入することにより、現在の掘削状態の良否が
一目でわかります。
一例として、ソイルセメント地下連続壁を造成することを例にとりますと、
気泡安定液の単位体積重量は13~18kN/m3、TF値は200mm以上となります。
環境共生
気泡安定液中の気泡は容易に消泡させることができます。
気泡に破泡剤を混ぜると容易に消泡し、あるいは大気中にさらすと
気泡は消泡します。
それ故、排泥土量は従来の工法に比較し1/2~1/3に減少します。
また気泡安定液は流動性が良いので、ソイルセメント壁を造成するときに
セメントミルクの混合性が良く、少ないセメント量で強度が発生します。
また水セメント比(W/C)も100~60%と小さいので、排泥土量の削減につながります。
気泡を使用するので、残留した気泡により透水係数が大きいのではないかとの疑問が生じますが、
気泡は単独粒であり連通していませんので、透水係数が大きくなることはありません。
これまでの実績によると、透水係数は10-7~10-8cm/sであり、通常の施工よりも約1ケタ小さい透水係数を示しています。